


名雛達は地方都市に残り、お江戸・東京には多くが現存していません。何故ならば、関東大震災、戦争の空襲など幾多の困難と、急激な都市化の中で、先祖伝来の雛たちは、消失し、流失してしまったのです。そこで、各地に残る名雛たちを東京に集め、毎年紹介をし続ける。それが、目黒雅叙園の「百段雛まつり」です。
10万人以上のお客さまを魅了した過去2回の雛まつり展を重ね、驚くことがわかりました。「雛人形を飾ったら一番似合うお部屋が百段階段」という賛辞をたくさんいただいたのです。どういうことかといいますと―。百段階段の装飾や絵画は、主に鴨居から上と天井に施されています。(名刹といわれる多くの古い建造物は、鴨井から下に障壁画があり、天井は格天井や板張りです)。雛を飾るのは鴨井から下の部分ですから、両者の見せ場が全くかぶることなく響演じします。
雛とは王朝絵巻の美が潮流にあります。豪華絢爛な衣裳をまとい、金銀の彩色をほどこし、豪華なお道具に囲まれた珠玉の美がここに集結しています。
そして、百段階段もそういう意匠の建物です。日光東照宮を代表とする桃山文化の粋。竜宮城のような非日常の空間。まさに夢の中に誘うような空間が、ここ東京都指定文化財・百段階段には残されているのです。
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日本は世界なだたる人形王国です。これほど古くから、これほど多くの地方で、これほどの種類の人形がつくられていた例は世界中にありません。そして“始まりはすべて京都”。源氏物語には、宮中の子供たちのひひな遊びの様子が書かれています。宮廷や公家からお人形やお雛様は生まれ、それが江戸に飛び火し、武家の生活や庶民の暮らしに伝承。こうして千年かけて、お雛様は今のかたちになっていきました。
雛には、子供の出産や成長を祈った「信仰系」、ひな遊びから生まれた「愛玩系」、そして優れた美術品として成熟した「観賞系」、この3種類があります。それらの人形たちの逸品を、人形で日本唯一の登録博物館である「さがの人形の家」、珠玉の20万点のコレクションの中から選び抜かれた有形民俗文化財人形たちもご覧いただきます。

大阪・藤井寺市にある佐藤禎三邸。桃の節句にお雛様を公開して30年。会期中はファンが一日千人も押し寄せ、個人宅では日本一の雛まつりです。この様子は、雑誌・TVをはじめ、「清談 佛々堂先生」(服部真澄著・講談社文庫)にも書かれたほどで、一度は行きたい雛まつりと言われています。大阪人らしい自由奔放な雛飾り。賑やかしく、てんこ盛りの雛ワールド。さて、どんな風に百段階段にしつらえるのかー乞うご期待です。
京を代表するお雛様が享保雛で、江戸を代表するお雛様が古今雛です。江戸時代末期、山車の人形師の仕事とみられる大型の古今雛が、一昨年こつ然と発見され雛コレクター達がどよめきました。高さ70pという日本最大級の大きさ。いったい誰が何のために作らせたのか。その迫力は必見!そして本邦初公開です。江戸の名匠・原舟月(三代目)の古今雛も合わせて公開します。(所蔵:二木屋)